くらむ本

常にネタ切れ。たまに書く。

【アニメ/映画】『君の名は。』のヒットから考えたこと

 


先日、『君の名は。』の感想ブログを書きました。
(URL:http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1097243
そして今、見た人の反響や、上映開始から10日間で38億円と言う興行収入を打ち出した事から感じた事を書いておきます。


◆"アニメ"が受け入れられる時代になった
何よりも思ったのはコレですね。アニメと言うカルチャーが人々に凄く受け入れられやすい時代になったのかなーと感じました。
なんで、そうなったのかなーって考えたんですけれど、今の若い人だけじゃなくて、40代や50代の年配層の人達が小さかった頃からアニメって言うのに触れていた人がいて、そういった人達がマジョリティになったからなんじゃないかなと。

昔は特に『アニメは子供が見るもの』だとか『アニメ=オタク=気持ち悪い』みたいな図式が出来上がっていましたが『電車男』を筆頭としたオタクブームから、次第にオタクを取り巻く環境と言うのが凄く変わってきたなーと言う事を『君の名は。』のヒットから改めて感じました。


◆"飽食"の時代
そして、もう一つ感じたのは今のアニメやオタクを取り巻くコンテンツと言うのは非常に”飽食”の時代になったと思っています。
傑作だとか名作だとか呼ばれる作品がゴロゴロいたるところに転がっていて、そういったコンテンツに触れ続けるだけで、どんどんと新たらしい傑作が生まれてくる。

何がいいたいのかと言うと、時間が圧倒的なまでに足りないんですよ。
そのせいで『作品を楽しむ』と言う意識より『作品を消化する』と言う意識が勝ってしまう。
一つの作品に対して打ち込んだり向き合うことをする、クンフーを積む時間と言うのが取れなくなっている人が多くいると思うんですよね。

それだけ”飽食の時代”になったせいで、昔よくあった『●●を見ていない奴はにわか』みたいなのって言うのは非常に少なくなってきたんじゃないかなと感じています。


◆"オタクは死んだ"のではない”オタク文化が変わったのだ
過去に私は述べたかと思いますが、改めて答えましょう。
『オタクは死んだ』のではなく『オタクを取り巻く文化が変わった』のだと。

オタクと呼ばれる人達を取り囲むモノと言うのはサブカルチャーであり、それは文化である。
文化が変われば、オタクと言う人達の型と言うものも時代と共に変わっていくモノであり、『死んだ』と感じるのは従来の考え方に縛られているだけではないのかと私は考えるのです。

世代論的な話も加えれば『死んだ』と定義するのは正しいかとは思いますが『時代と共に生まれ変わった。』と言った方がいいように感じています。


◆『君の名は。』が与えてくれた”一筋のヒカリ”
もう一つ気がついたのは『君の名は。』を見る年齢層が若い人たち(学生の集団やカップル)が多い事なんですよね。ファミリームービーと呼ばれるアニメ作品って子供が見たいと思って親を連れて来て一緒に見るみたいな傾向が多かったと思うんですけれど『君の名は。』はそうじゃない。

勿論、宣伝が上手かったとか上映館の規模が違うとかあると思うんですけれど、この傾向はファミリームービーと呼ばれる方向性を目指さなくても、多くの人に想いを表現することが出来るのだ!と非常にアニメーションに携わっている人達に希望を与えてくれるんじゃいかなーと思いました。

これからのアニメーション業界に指標を与えてくれた作品なんじゃないかなと感じています。


よければ以下記事もどうぞ。
●【アニメ/映画】『君の名は。』見てきた感想とネタバレ
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1097243
●【雑記】「オタク」の定義、在り方を考える
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar539757
●【雑記】「●●を知らない奴はオタクじゃない!」と言う思想の檻
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar730224
●【雑記】オタクのモラル~ノブレス・オブリージュ
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1071245
●【雑記】”物語”の語り方
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar698164


そんなかんじで。
おしまい。