くらむ本

常にネタ切れ。たまに書く。

【雑記/趣味】正義を問う物語達~FGOとアベンジャーズ~



以前、私は以下のエントリを書きました。それを踏まえた上で、正義を取り扱っている物語はこれかなーって思ったものについて考えたことをまとめておきます。

●【雑記】暴走する”正義”~正しいjusticeの始め方~
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1509249



◆ゲーム「Fate/Grand Order
スマートフォン専用ゲーム「Fate/Grand Order(略:FGO)」
もうすぐ3週年を迎えるこの作品も、正義を問うているのかなと感じています。

「Observer on Timeless Temple」と言う副題をつけ、公開されている第一部のシナリオを振り返ってみると、特に1~5章ではあまり描かれなかった民衆の描写が6,7章で増えた事が印象的だったんじゃないかなと感じています。
あ、ざっくりとまとめると、やーべー世界が滅びるぜ!って時に主人公が世界救った。って話です。

本作でも、Fateシリーズの特徴として出てくる数々の英霊たちが描かれていますが、そこばかりに焦点が当てられてしまうと「独善的でエゴだよね」だとか「ものすごい力を持っている人たちが、なんかワチャワチャやっている」だけ。と言うような感じで、自分たちとは違う世界の人たちの話だよね。って一線を与えてしまう。

そこで、そのカウンターとして、何者にもなれなかった、平凡な主人公だよ。と言う事にスポットを当てたり、一部のシナリオの終盤にかけて、民衆の描写を描く事で、彼らを英霊たらしめるのは、民衆の信仰があってこそなんだよー。とか。
そして、その民衆の生活を脅かす外敵(人類悪)を打ち倒すのは何者にもなれなかった主人公がいたからだよ(実際問題、とんでもねーやつですが)と言う一連の流れを示したのは、プレイヤーに親近感を与えたのかなぁと感じています。

でも、それって言ってしまえば他の数多くの物語、JRPGと一緒で「もうなんか世界を救うのって飽きたよね」ってところに帰結すると思うんですよ。

その時に投下された二部「Cosmos in the Lostbelt」の1章「永久凍土帝国 アナスタシア」
これ、もうびっくりしたんですよ。とんでもねぇ物語の幕が上がったぞ・・・!ってワクワクです。それは、別の歴史と反映を築いた世界(異聞帯)との戦いがあると言うことです。

その世界を「誤った繁栄だ」と述べているが「正義」と言う観点で考えてみると、それは誤りです。彼らには彼らの世界があって、そこに芽吹いた生命だってある。
その「常識」を己の常識で否定するのは、正義(天秤)として行うべき行為ではありません。
だって、そこには一人称の視点と、エゴがどうしても付きまとうからです。

CCCコラボで一方的にキアラさんが悪だ!!!って言われるの私は納得出来なかったですし、彼女は純粋なだけだったじゃんって私は思っていて、そこでこういった物語の提示をしてくれるのは、ほんと、逆に狙ってやってたんじゃねーの?!?とか、色々考えてしまいますね。

主人公が行った行為の代償として、彼らが背負っていかなければいけないものとは何なのか。と言うところを描いてくれるのではないでしょうか。ほんと続きが楽しみです。
ただ、ホームズくんが欲しくて2万円課金して爆死したので、ガチャは絶対悪です。





◆映画「アベンジャーズ
マーベルから大々的に公開されている映画シリーズです。シリーズを通して見ている人も多いんじゃないでしょうか。
私は「ガーディアンズ オブ ギャラクシー」がまだ見れてないので、そのうちみます。
あ、最新作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の話をします。

特に「インフィニティ・ウォー」で魅了されるキャラクターは今までのマーベル作品で出てきた数多くのヒーローではなく、今回から敵キャラクターとして本格的に参戦した「サノス」であったと感じています。
彼は宇宙に散らばる6つの「インフィニティ・ストーン」を集める事によって、ドラゴン●ールよろしく!な宇宙の生命の半分を消滅させると言う「正義」を叶える為に立ち上がりました。

なぜそのような「正義」を持ったかと言うと「宇宙の人口増加によって食糧危機や、その資源を巡るための戦いが発生していく。それは生命全体が滅びの道へ歩むきっかけとなってしまう」それを防ぐために、せや!種族や貧富の差と関係のない無作為な大虐殺やったろww
俺は、、、キリトだ……!と滅びの未来から生命を救うために、彼は「正義」を行使することを選んだだけなんですよね。

サノス自身が頭パリピな狂人であれば、サノスはわるいやつだ!いけー!!!アイアンマンがんがれー!!!!!ぼこぼこにしてやれー!!!と視聴者は安心が出来たと思うんですけど、残念なことに、彼は脳みそまでは筋肉で出来ておらず、思った以上にもリアリストだったんですね。
深い愛情を抱く人も存在していて、涙を流すほどに感情に豊かな人物。それは、「悪」だ!!!と一言で押し付けていい人物ではない。彼もまた、純粋なだけだったんだ。

その姿は、かつて今までのマーベル作品で出てきたヒーローたちと姿が被るんですよ。
なぜかと言うと、ヒーローと呼ばれる彼ら達が行使する「正義」もまた、独善的であり、ヒーローたちをヒーローとたらしめるのは、その「正義」の背景に絶対的な力が、あったからこそでしか過ぎないからです。
そこで今回現れたサノスが行使する「正義」とヒーローたちが抱いている「正義」その違いは一体何なのだろうか。と視聴者に「正義」の是非を問う命題が描かれている、傑作でした。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でヒーローたちがバラバラになったように、彼らの抱いている主義や主張(それぞれの信念・正義)がぶつかり合うと言うのと、サノスの主張との衝突と言うのは、そう大きく変わらないんですよね。
そういった根底をシビル・ウォーで揺るがしてきて、インフィニティ・ウォーで破壊した。
いや、ほんと、もう続きが楽しみで楽しみでしかたないです。




◆まとめる
文章量減らしたいが為に言いたいことの過程を端折って書いているので、伝わる人限られてくると思うんですけど、、、恐らくこれら2つの物語は、認識のアップデートをし、天秤として相応しい「正義」を、痛みを伴う「正義」を行使する。
「悪」だと断罪される側にも生活があって、世界をより良くしたいと言う信念があった。
そこに正解はないけれど、血を吐くことになっても、傷付けることになっても、何が正しいことなのかと探し出す一歩を今、歩みだしているのではないでしょうか。

このあたりの文脈を汲み取ったのが、アニメ「ガッチャマンクラウズ」でしょう。
間違いなく時代の先を行ったアニメなので、興味があれば、見てほしいです。


私は、ただの一人のファンとして、
この2つの物語が示す結末を見届けたいと思います。



よければ以下エントリもどうぞ。
●【アニメ/個人的】2010年以降・オススメなアニメ5選
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1334801
●【アニメ】つまり”響け!ユーフォニアム”は神アニメ
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1176020
●【アニメ/映画】『君の名は。』見てきた感想とネタバレ
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1097243
【アニメ/感想】宇宙よりも遠い場所
http://ch.nicovideo.jp/kuramubon/blomaga/ar1450409



そんなかんじで。
おしまい。