くらむ本

常にネタ切れ。たまに書く。

【アニメ/映画】この世界の片隅に感想




実は映画公開日の11月12日にこの作品を見ました。元々、原作の漫画も前々から既読済みで、そして映画を見て、Kindle版を購入し、また映画を見ました。
そして今なぜ感想を書くのか。それも含めてお話したいと思います。


◆私の映画体験を全て覆した傑作
私が今まで映画を見てきた、映画体験を全て覆した作品でした。本当に素晴らしい。人間は本当の衝撃を受けた時、言葉が出ない。と言うのを体感できました。
元々原作は既読済みでストーリーラインは分かっていましたが、それでもその衝撃が拭えなかった。本当にこの映画は語彙力が下がるやばい映画です。(褒め言葉)

この作品は、アニメーションと言うような枠組みを超えて、間違いなく日本の映画史に名を刻む名作だと私は感じています。この作品は、本当に数字にならないと。売れないとだめだ。売れてほしい。思わず泣いてしまうほどに、売れてほしい。もっと多くの人に見てほしい。


◆この作品を"言葉"で表現するのは不可能だ
漫画も映画も振り返ってみると、この作品のストーリーは、戦時中に生きた一人の女性”すずさん”が巡り合った出来事を描いているのですが、今までのどの反戦映画より「戦争ってだめなんだな」と言うことを視聴者に等身大の視点で訴えかける作品だったのではないでしょうか。
この作品を私はずっと、語り継いでいきたい。映画を見て、改めてそう思えました。

ただ、何よりもこの作品を言葉で表現をすること、それは不可能に近い作品だと私は映画をみて実感しています。言葉で彩ってしまうと、どうしてもそこには、陳腐くささが混じってしまうような気がするんです。上記に述べた言葉以上の表現が私にはもう出てこない。
それでもなお、言葉として表現をしようとするブロガーさん達は賞賛に値する。素晴らしい勇気だ。残念ながら、私はそれを持ち合わせていなかった卑怯者だ。


◆アニメーションとして非常に興味深い仕上がり
数多くのアニメーションを見ている人は分かると思うんですけれど、本作の特徴の一つとして、「仮現運動」の表現の仕方。特にショートレンジを用いて、キャラクターの動きが異常なまでに丁寧な仕上がりになっているんです。
「すずさん」が存在しているものとして表現をしたかった。と言う信念が映像として確かに現れていて、今までのアニメーションとはちょっと違うコマ打ちの仕方に、シナリオ、原作(漫画)や当時の解釈、表現の仕方だけではなく、アニメーションとしても非常に楽しめる作品だと感じています。


クラウドファンディングに応募しなかった自分にドロップキック
実は、クラウドファンディングに出されたこともその当時知っていました。
始まった当初「傑作だから、目標金額達成するだろう」と思って支援をしなかった。そして一瞬にして達成された。だから支援をしなかった。そんな当時の自分を殴りたい。こんな素晴らしい作品を世の中に送り出してくれる人達の支援がどうしてできなかったのか。
悔しい。悔しすぎる。後悔しかない。本当に制作に携わった人達に申し訳がない。涙が出るほどに悔しい。ここまで後悔したのは、今年一番かもしれない。


◆そんな私ができること
せめての償いとして、映画を2回みて、原作を改めて買い少しでも力になろう。
そして、今この場で一人でも多くのファンを生み出す為に、声をあげよう。
12月に入り、上映する劇場も増え、客足が落ち着き、三連休や年末年始を控えた今だから。

もしまだ見ていない人、この場にいたらぜひ見てほしい。土下座でもなんでもします。これは絶対に売れないとだめな作品なんです。1人でも多くの人に劇場で見てほしいんです。
劇場だからこそ、他の名前も知らない人と見るからこそ、体験できる空気感があるんです。それを肌で感じる為に、絶対に劇場で見てほしい。